金子 ノブアキ スペシャルインタビュー | EAFF E-1フットボールチャンピオンシップ2022 公式試合球

SPECIAL INTERVIEW
File02Nobuaki Kaneko
ミュージシャン・俳優

金子 ノブアキ

http://kanekonobuaki.com/
圧倒的なテクニックをもって全身全霊でリズムを刻む姿は自身のバンド、RIZE のサウンドの要。2009年よりソロ活動も始動しこれまでに 3 枚のアルバムを発表。音楽、映像、照明を駆使し総合芸術として表現するライブは高い評価を受ける。俳優としても話題の映画やドラマ、CM に出演し 際立った存在感で魅了。 唯一無二のキャリアで時代を牽引。あらゆるジャンルの壁を超えて活躍中。

挑戦することの価値とは何なのか?
ミュージシャンと俳優という二つの顏を持ちながら、その枠に収まる事なく、常に新しい領域に挑み続ける金子ノブアキさんから「夢見ること、そして挑戦すること」をテーマに、自身の生き方や成功の定義を語ってもらった。
世界中の人々がいろいろな感情と均等に向き合う機会になったと思います

――世界中が新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けている中、金子さんが感じたことは何でしょうか?

世界中の人々が生きる上で同時に同じ質問を投げかけられてるような時代ですよね。自分が本当に好きな事や出来なくなってしまったこと、早く元に戻ってほしい思いと新しく発見したことなど、世界中の人々がいろいろな感情と均等に向き合う機会になったと思います。
それは僕も例外ではなく、自分に元々あったところと新たにレベルアップしたところ、今後やりたいことやこれから起こりそうなこと、そしてこの時代にふさわしいかはわかりませんが、この先への期待感みたいなものも感じました。

――このコロナ禍の中でライブが出来ないとか、果たしてやることが正しいのかというエンターテインメントに対する価値とか必要性をすごく問われた1年間だったかと思いますが、金子さんはどのように感じましたか?

やっぱり人は一人では生きられないっていう事と、その上で自己と向き合っていかなければならないっていう思いが並行して広がっているような感じがあったと思います。

まずライブが出来ないっていうことの前提には命の危険があって、ウイルス自体、目に見えないモノだし、そういったリスクがあるという時点で、今までの災害とは明らかに違うことだし、自分の人生の価値観において、そういうカタチで命の危険に直面する事ってなかなかないじゃないですか。

だからこそこういった事態がおこった時、安全第一って事を考えると、エンターテインメントっていうのは最初に必要なモノではないけど、それでもやっぱりそこに救われている時間っていうのは多かったです。
映像の作品だったり、音楽の作品だったり、やはりそこに救われることで響きは強くなっていくと思うんです。
現場は止まってしまっていても、今まで積み上げられてきたモノがすごく答えてくれてる瞬間があったりして、緊急事態宣言下で進行している作品に色々と関わらせてもらっていると、その辺も面白いですよね。

――コロナ禍の時期、大河ドラマやNHKの朝ドラ、Netfilxなど、多くの話題作にも出演されていましたが、やはり反響は大きかったでしょうか?

自分の中では手ごたえがあったと思います!
それこそ、何に救われてきたか、懐かしさがどこに感じられるのか、何によって心が満たされて平穏を感じるかって、それぞれの育ってきた中での環境じゃないですか。

もし僕のチャンネルが一個だけだったら、もっとやるべき事を固めていかないといけないと思ったかもしれないけど、幸運なことに様々な方向性でアプローチする機会を頂いたので、客観的な視点で判断や決断が出来ていたと思います。

――それはやはりエンターテインメントの必要性を強く感じたということでしょうか?

当然エンターテインメントは絶対に必要なんですけど、それ以上に、より個々にとって何が必要なエンターテインメントなのか、それは癒しだったり、力をもらえるものだったり、そういった部分って人の心根みたいな所に向かって行くと思うんです。ユーザーにもそれぞれ縁や出会いがあって、エンターテインメントへの選択肢がより細分化されてきているというか、個々の感情に素直になれる環境になったと思います。

新しい作品を生み出す機会に出会えるって、人の縁だとしか思えない

――メディアの細分化に伴って、いろいろなモノが選択出来る世の中で、特に金子さんは積極的にいろいろなジャンルと融合して新しい価値観を生み出していると思います。そういった挑戦において、金子さんが意識している事はあるでしょうか?

人生って周りとの縁で転がって進んでいくところがすごくあると思うんです。
自分が転がる玉だったとして、その傾斜を作ったり、スピードを上げるのは自分ではなく、周りの人による影響が大きくて、何か新しい事をやるにしても、一つハブがないと成り立たないモノだと思うんです。例えばライブの現場で出会った方々と意気投合し、何か新しい作品を生み出す機会に出会えるって、人の縁だとしか思えないところが有りますよね。

幸運なことに、やっている事や置かれている環境は小さな頃からあんまり変わっていないんです。周りに従うわけじゃないけど、自分の環境に対して普通にいたというか、自分のいる環境に素直に好きなことがあって、それをやり続けた事が今は「これでいいんだよ!」ってなって来たと思います。

個々が持っている個性や好みに素直になれる環境になってきて、それによって出会いがあるし、そして今は出会いのカタチも何通りもあって、直接会えないけど生み出すことって出来るじゃないですか!不思議な事だけど、そうやっていろいろなことに枝葉を広げていきたいですね。

――そういった意識が多くの新しい価値観を生み出すきっかけになっているんですね!

自分自身は転がって、のたうち回って、ワァーってなっているのが大体だと思うんですよ。誰もがそうだと思うけど、それでも周りとの反応で角度がついて、面白い方に転がったりする。
例えばエンターテインメントにおいては、数字だったり、ヒットしたって事だったり、チャートアクションだったりとか、そういった事が結果の一つだったりするんですけど、個人的には大ヒットした作品にも関わらせて頂いたりとか、想像よりも反響が良かったとか、図らずしてそういった縁を頂いた事も多かったと思います。

――確かに昨年リリースされたアンビエント作品「Zange Utopia」もiTunesエレクトロチャートで一位を獲得されるなど、かなり反響が大きかったのですね!

そうですね!当初は僕が欲していた音源をパッケージして「Zange Utopia」を作ったのですが、それがiTunesとかのチャートで1位を獲得して、それは素直に感じたことをやり続けたカタチで、周りの雰囲気とか気持ちとか空気とか、周りの人にも支えられた結果だと思うんです。それって時の運ですしね!運がいいっていうと無責任だけど、恵まれてもいるし、合う人といるのが多かったからかな。
すごく基礎的なことかもしれませんが、波長が合う人合わない人ってその時々じゃないですか。今は合わないけど、今度会った時に合う人もいるし、逆も然りだから、その時の運と波長に自然といれた感じだと思います。

なんか作っていたいし、それが好きなんだなって思います

――すごく自然体でいられる事が時の運を呼び込んでいると思うのですが、逆に悔しい想いや、思い通りにいかなかった事っていうのもあったんでしょうか?

あるある!基本そんな感じですよ! 100個あったら、1~2個上手くいけば、「おぉー!」って感じで....でもその時の気持ちってのはめちゃくちゃ良くて、「これだぜ!」って思うんですけどね(笑)

実は僕自身、2020年っていうのは、結果論としてすごくうまくいった事が多かったなって。
これは運もあるけど、最小限の動きですごく実りがあったと思うし、すごく充実していました。本当にわからないモノですよね!
時代としては本当に試練の時だし、キツい事多いよなって思うことも多いんですけど、ふと自分の事を振り返ると、そこまでに貯めていたものとか、リアルタイムで作ったものとか、換算するとすごく実りがあった年だったと思います。

 

――それって昔から何度も苦しい思いをして、積み重ねてきたアーカイブがカタチなっているって事だと思うんですけど、その過程で思い通りに行かなくて、悔しい想いをした時はどうやって乗り越えてきたんですか?

僕は作っているプロセスが一番好きなんですよ。 例えば映画とか映像作品だったらば、舞台挨拶をして、「今日が初日です」っていう時間が一番寂しいんです。
音楽だったら、納品してからリリースまでの期間が個人的には一番作品を聞くんだけど、それが世に出ちゃうと寂しいんですよね。作品に対して親心みたいな事はあるのかもしれないけど、その一抹の寂しさがあって...それを埋めるためにまた新しい何かを作ったり、だから次が無いともう…それが好きなんですよね!
だから悔しいけど、それが好きでやり続けているから...とにかくずっとドラム叩いていたいし、なんか作っていたいし、それが好きなんだなって思います。

――コロナ禍でもずっと練習していたんでしょうか?

今年40代に入るんですけど、どんどん身体も変わってきて、あっちが痛いこっちが痛いみたいな事も増えてきますし、その準備みたいな事も漠然と考えるようになる。
そのためには家でも一人で練習出来るようになっておかなきゃって思って、自分の家の地下にそういった場所を作ったんですけど、期せずしてこんな時代が来て、ずっと練習してました。ある意味シェルターですよね。
それがなかったら練習するのも大変だろうし、練習っていうか、自分の中に当たり前にあるルーティンですよね。

でも先日久しぶりに外のスタジオでリハーサルをやったんですけど、外用のドラムセットを一年ぶりに触って合奏したら、やっぱり一人じゃダメなんだなって感じて....
この会話じゃないけど、ライブもそうですよね!人と一緒にやって循環することで、身体を回っていくというか、一人だとやっぱり反応が返って来ないから、気持ちが詰まりますね。
毎日やっていれば良いって事じゃないんだってことがわかったし、それじゃあ違うんだなって思いました。
整えてくれる人がいてこその自分だから、一人でも練習出来るようにとは思ってるけど、「あぁ~やっぱり一人じゃダメだわ!やっぱりそれはチームなんだ!」って思いましたね。

好きな事をやろう!でも無理するなよ!一番自分の近くにいる人たちをまず大事にしよう!

――いろいろなモノに真摯に向き合い、常に挑戦し続けている金子さんですが、最後にこの記事を読んでくれている人たちに「夢見ることや夢を叶える秘訣、挑戦することの大切さ」についてメッセージを頂けるでしょうか?

おそらくそこが一番変わりましたよね。 今の世の中で大切な事って、スポーツの世界においても「無理をするなよ!」っていう事がすごく強まっているわけじゃないですか。
「好きな事をやろう!でも無理するなよ!あとは一番自分の近くにいる人たちをまず大事にしよう!それが大きな動きになっていくから!」っていうのをこの一年ではすごく思い知らされたし、本当にそうだなぁって思ったし、もしかしたらずっとそうだったのかもしれないし…
そういった意味で挑戦する事っていうのは本当に美しい事だと思います。
そのプロセスを愛せるのであれば、それを見つけることにきっと遅いも早いも無いから、年齢に合わせて僕もみんなも変わっていかなければならない。
世界もどんどん変わってきている中で、普遍的なのはそこかなって思います。
「好きな事やろう!でもやっぱ本当に無理するなよ!嫌いになっちゃうから!」っていうのがすごく重要視されていると思います。

そして、まずは目の前にいる人たちを大切してくことが大きなカタチになるんじゃないかと思います。
何かキッカケを投げかける事はすごくやり易くなってきている時代だからこそ、そこに対してあまりガツガツせずに、本当にメンタルも含めて、「無理すんなよ!」って事を大きく言われてる気がします。
けど、それって「怠けろ」って事じゃなく、ベストの自分のパフォーマンスを見極めて、そこは無理し過ぎずに自分のペースを見つけるべきじゃないかなって思います。

僕たちの世代には、どうしても「武士道とは!」みたいな価値観があるんですけど、今はそこがすごく変わってきている気がして、それってすごく良いことだと思うんですよ。自分を守るってことも含めて、「優しく行こうよ」っていうのって素敵だなぁと思ってます。

その上でのチャレンジというか、コミュニティは細分化してきているかもしれないけど、そういう小さなコミュニティみたいなものが点在する時代になってきて、そのコミュニティ同士がお互いを讃え合える時代がすごく来ていると思います。

今後集合体の在り方も変わって来るから、「まずはみんなで自分と周りをすごく持ち上げていこうよ!そこを大事にしながら自分と周りを守っていればきっとうまく行くよ!そうすれば全員がうまく行くはずだ!」と思うし、それが今ある希望的な事だと思うんですよね。

その上で個々が自分のスタイルや好きな事を発信しやすいというか、「好きな事やろう!でも無理しない!」っていう事が言いやすくなっている中で、みんながベストを尽くせるところを狙っていったら、「多分どっかで誰か見ているよ!」っていう時代になっていると思うし、その感じがすごく現代的だと思います。

――確かに無理なく好きな事を発信できるというか、いろいろな事に挑むことが出来る時代になりましたよね!

そうですね!良い意味で恐れなくて良いというか、プレッシャーを気持ちよく感じているくらいが一番良いと思うんですよ! だからこそ、周りの人たちと一緒にそれを楽しんだ者勝ちだと思うし、楽しいと思っているところを見極め、挑む勇気をもらっているのかもしれませんね。 個人レベルで発信も出来るし、プレゼンも出来る時代だから、どんどんいろいろなことに挑戦してほしいですね!

僕たちの世代は完全に前時代的なジェネレーションになってくるので、僕個人の挑戦としては、今の時代の空気感をちゃんと感じながら、そこにアンテナを張って、閉じない様に心がけていますし、今のところは気持ちよく出来ているんじゃかなって思います。

 

――なるほど!それは自分の環境を妬むことなく、今の自分のカタチで色々と挑戦して、違うと思ったら、新たに挑戦していけば良いってことですよね?

今は刻々と時代の流れも変わってきているし、一つのフォームに収まる必要ってないと思うんです。それ以上に人の心や思いみたいなところがすごく大事になってくる。

「風の時代」っていうけど、本当にそうだと感じますし、「本当に楽しもうぜ!無理するなよ!」っていう最高のマインドセットの時代だと思います。だから本当に年齢に関係なく、フラットな時代になったと思うし、遠慮せずにどんどん好きなことに挑戦して欲しいです!

個人的にもその感じでいこうかなと思っているんで(笑)

[STAFF]
Model : Nobuaki Kaneko
Photography : Kyota Hashimoto
Hair & Make-up : Miyuu Takeuchi【VANITÉS】
Movie Direction : Ryo Imai【kageiroha】

Creative direction & Text : Katsusuke Inomata【UMIDASU Co, Ltd.】