石川 涼 スペシャルインタビュー | EAFF E-1フットボールチャンピオンシップ2022 公式試合球

SPECIAL INTERVIEW
File04Ryo Ishikawa
#FR2

石川 涼

1975年生まれ、静岡県出身
株式会社せーの代表取締役
https://fr2.tokyo/

2000年起業。2004年ファッションブランド「VANQUISH」創設。2010年ジャパンファッションウィーク(JFW)に109ブランドとして史上初めて参加し、コレクションをショー形式で発表。時を経て2016年、Instagramから始まり世界から注目を集めるコンテンツ「#FR2」の仕掛け人。
Instagram:https://www.instagram.com/fxxkingrabbits/

挑戦することの価値とは何なのか?
ファッションという枠に収まる事なく、常に顧客動向を見ながら、新しい戦略や売り方に挑み続ける石川涼さんから「夢見ること、そして挑戦すること」をテーマに、自身の生き方や成功の定義を語ってもらった。
アナログなものに価値を感じてるというか....アナログなことに飢えている

――世界中が新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けている中、石川さんが感じたことは何でしょうか?

ビジネスの話をすれば、僕たちとしては外国人のお客さんがすごく多かったので、もちろん大きなダメージを受けはしましたが、コロナなくても世界は変わってくんで、もしコロナが無かったとしても、世界は変わり続けているし、自分としてはそれに対応してくしかないと思ってます。

――このコロナ禍の中で、ファッションやアート、エンターテインメントに対する価値とか必要性をすごく問われた1年間だったかと思いますが、石川さんはどのように感じましたか?

もともとファンがいないモノというか、何かに紐付いてるモノ以外は、10年くらい前から「無くなっていくな。」と思っていました。
ファッション業界も20世紀の概念のまま進んでる気がすごくしていたんですけど、そういう概念がコロナをきっかけに大きく変わったと思います。
20世紀の概念のままというか、20世紀の売り方と買い方のまま生活していたものが、一気に変わったと思いますし、本当にいらないものは淘汰されだしているので、それはある意味良かったのかもしれないすね。

――オンラインの時代に#FR2は店舗のみでしか買えない限定モデルを販売するといった、ある意味、昭和的売り方をしていると思いますが、それはどういった意図があるのでしょうか?

コロナが来たことにより、当初から少し戦略も変えていってるんですが、コロナ前までは何でもネットで買える時代だったじゃないですか。

よく話すんですけど、「トイレットペーパーでさえ Amazon で買って、次の日届く!」みたいな生活の中で、こんなに便利な世の中になって来ているのに、いつの間にか「みんなが熱狂してるものは予約が取れないレストランや買えないモノにシフトしてきている。」っていう世の中の変化に気付いたんですよね!
だからこれは「ネットで何でも買える時代だからこそ、ネットで買えないモノの方が付加価値が上がっていくんじゃないか。」って思っていたんですよ。

だから僕らの戦略としてはネットで売らない商品を展開するお店を観光地に出店していく。
そうする事で、ネットで販売されていない商品を地元の人たちとか、その観光地に行った人達が購入し、勝手に二次流通で販売するんです。全部オートマチックに。それを狙っていたんです。

これ自体は世の中の仕組みをうまく使った戦略だと思っています。
僕らが売らなくても、世界中の消費者が、勝手に僕らの商品を二次流通で売ってくれる。
さらに誰でも簡単に買えるモノではないから、付加価値が付き、販売価格よりも高く売ってくれるんです。

――ネットでの個人販売って事ですね?

そうですね。そういった二次流通が世界中にあるわけじゃないですか。
世界戦略の一環として、それを狙っていたです。

例えばアマゾンの山奥に#FR2のお店があって、僕らがネットで商品を販売しなければ、そこに行かないと買えないわけじゃないですか。
そこに行った人たちは誰かに頼まれて買ったあげたりするんだと思うんですけど、「じゃあ買いたいけど買えない人たちはどうする?」って考えた時に、地元の人たちに頼んだりすると思うんですよ。
やがて地元の人たちはその付加価値に気付いて、「ここの商品ネットで売れるぞ。」ってなるじゃないですか。

そうすると、僕らは営業マンとして雇ってるわけじゃないのに、世界中の#FR2のお店がある場所で、勝手に現地の人たちが僕らの商品を売ってくれる!しかも販売価格より高く。それを世界中に。そういう戦略だったんですよ。

――その考え方面白いですね!それを聞くと気になるのが、全国を車で回って商品販売する#FR2DOKOというサービスなんですが、このサービス自体は自分達から歩み寄るカタチなのか、もしくはまた別の戦略を考えてのことだったりするのでしょうか?

#FR2DOKO?とは?
そこでしか購入出来ない限定商品を持って、#FR2DOKO?専用の販売車が全国各地を神出鬼没に登場する移動販売サービス。

もちろんみんなが移動出来ないから、「だったら、こちらから売りに行こう!」っていうコンセプトなんですけど、先ほどの話と一緒で、みんながネットで商品買う時代だからこそ、あえてネット販売をやらないって戦略ですし、その根底にあるのは世の中がアナログなことに飢えていると思うんですよね。

特に若い世代の子たちは生まれながらにしてデジタルの世界にいるので、ちょっと面倒くさいことをやりたいんだと思うんですよね。
だからカメラもこれだけデジタルが発達し、i-phoneのカメラもすごく綺麗に撮れるのに、敢えてみんなフイルムのカメラ使ったりするわけじゃないですか。
僕たちが若かった頃はデジタルの最新のモノが無かったから、そっちが欲しかったけど、今の若い子たちは生まれながらにデジタルだから、アナログなものに価値を感じてるというか....アナログなことに飢えていると思うんですよね!

だから移動販売も、車の場所をわざと公開してないんですね。
地図コミュニケーションアプリをダウンロードして、ようやく車の場所が分かるようにしてるんですけど、わざわざ車の場所を探さなきゃいけないっていう作業を一枚かませることによって、みんなで「車見つからない!どこどこ?」って言って運転しながら、「黄色い車あった!」ってなると、宝探しやオリエンテーリングみたいなイベントにもなるし、それがまた熱狂を生むみたいな(笑)

カルチャーに紐づいた新しい価値を創造するのが好きなんです

――デジタルの発達にともなって、アナログも含めた、いろいろなモノが選択出来る世の中で、特に石川さんは積極的にいろいろなジャンルとコラボをして、新しい価値観を生み出していると思います。そういった挑戦において、ファッションデザイナーとして、またファッションの経営者として、石川さんが意識している事はあるでしょうか?

僕自身ファッションデザイナーっていう自覚はあまりないんですけど、カルチャーに紐づいた新しい価値を創造するのが好きかもしれないですね。
たまたまやっている事がファッションだっただけで、世の中に面白いモノを生み出していくことが軸で、売り方とかみんながやらなかった事に挑戦するみたいな事が好きなんです。だから洋服屋って感じじゃないのかもしれませんね。

――新しく始められたTHE NETWORK BUSINESSは、スニーカーにー合わせ、トータルコーディネートを提案していく新しいカタチのブランドだと思うのですが、そういった新しいカタチのビジネスを生み出す基準みたいなモノはあるんでしょうか?

僕たちにとっては、消費者が「何に興味持ってるか?」が一番大事なんですね。
こういった仕事をしていると、大概は自分のクリエイティブを表現したがるじゃないですか!「俺の才能はこうだよ」みたいな!僕は全くそういうのが無いんですよ。
例えばTHE NETWORK BUSINESSも、近年スニーカーのマーケットがずっと盛り上がっている中で、コロナ禍になって、さらに加速しているのを感じたんです。

出歩けない分、みんな家で「買えた買えなかった」っていう事が毎日あるわけじゃないですか。
二次流通もどんどん価格が上がったりして、そういう状況を見ていたり、色々な情報を調べると、スニーカーのマーケットだけで世界で年間1兆円以上あるんですよ。
これが二次流通も含めると、後10年後ぐらいにはすぐ倍になるんじゃないかって言われるんですけど、そこで僕は「何にみんなそんなに熱狂してるのか?」を調べるんですよ、ずっと。
今までの購買パターンだと、みんな服有きでスニーカーを選んでいた気がしていたんですが、今はスニーカー有きの購買パターンに変わったと感じたんですよ。色々みてて。
このマーケットにいる子たちは、お給料もらったら8割がスニーカーで、2割で洋服買ったり、ご飯食べたりしてるなって。
「ということはスニーカー主導で色々組み立てていって、自分の好きなスニーカーのモデルに合う紐を買ったり、そのスニーカーに合うショートパンツ買ってたりとか、あぁーそういう買い方しているんだ!」って思ったんですね。
おそらくそういう事に普通の洋服屋さんは気付いていないわけじゃないですか。
服の方が先にあって、「それに靴合わせろ」みたいな感じじゃなくて、僕はマーケット見てて「スニーカーが主体に全てが動いてるな。この子達は。」って思ったんです。「だったら靴に合わせた服を作っていこう!」って思ったことをアトモスさんに話したら、「それ面白いね!一緒にやりましょう!」ってなって、今一緒にやらせてもらっているんです。

なんかそういう作り方です。 あくまでもユーザーファーストというか、顧客動向を見てそのマーケティングに伴って「今何を欲しているのか?足りないものは何か?」を考えているんです。

「これはいける!」って感じたら、そこにフルベットする

――それって今までになかった新しいビジネスモデルだと思うんですが、一歩先を行こうとすると、思い通りにいかないこともあったり、悔しい思いもされたと思いますが、そういった経験をどうやって乗り越えて、前に進んで来たかを教えて下さい。

ダメだったことは本当にすぐ忘れちゃう。昨日食ったご飯も忘れちゃうぐらいなんで(笑)
明日のことしか考えてない。
基本的にやっぱり新規事業ってほぼ失敗する。99%当たらないと思っています。
特に次々同時多発的に色々なことをやっているので、失敗することもありますが、その中でも「これだ!」って思う事が稀にある。

移動販売車とかもその一つで、初日で僕が想定していた5~6倍売ったんです。
当初「2日でこれくらい売れたら良いんじゃない?」って言った分を遥かに超えて、急きょトラックもう一台を追加で呼んだにも関わらず、4ヵ所回る予定だったのが、初日の一箇所目で、2時間もたないぐらいで全部なくなっちゃったんですよ!
だからすぐに東京に連絡して、「売れるから持ってきて!」って言って、次の日の分まで持って来てもらったんですけど、結局その分も2日目の1か所目で全部無くなっちゃったんです。

その時のお客さんの反応を見て、「これは絶対いける!」って思ったんです。ほとんどの事業が失敗する中で、一瞬でお客さんの反応が見れたわけじゃないですか!
だから今使っている移動車が軽自動車なんですけど、その場でハイエースの一番大きいヤツをオーダーしてしました!

本当に新規事業って成功しないんですよね。100個やって1個当たればいいみたいな....
だからこそ「これはいける!」って感じたら、そこにフルベットするみたいな感じかもしれないですね!!

――何度も挑戦し、感触が良ければそこに全力で賭けるみたいな感じなんですね!

そうですね! 特に今回の移動販売はすごい大きい波になると思います。

――本当に今回のテーマでもあるんですけど、何度失しても、常に挑み続ける事が重要ってことですね!

それしかないと思うんですよね!それが面白い事っていうか、そうだと思うんですよね!

――今後は違うビジネスにも挑戦していかれるんでしょうか?

はい!色々やろうと思ってます。
ゴルフのブランドも立ち上がりますし、eスポーツのブランドもやりますし、まだまだ色々な展開がありますね!

助けない事が唯一新しいものが生み出せる方法なんじゃないかと思うんです

――今後の展開を楽しみにしつつ、最後にこの記事を読んでくれている方々に「夢見ることや夢を叶える秘訣、挑戦することの大切さ」についてメッセージを頂けるでしょうか!

僕はあんまり若い子を助けたくないんですよね (笑)。
おそらく今活躍している人たちって、助けられた人っていないと思うんです。
自分が置かれている環境の中で、自分なりに試行錯誤を繰り返して掴み取ったっていう気がすごくしていて....誰かに与えられて成功した人とかいない気がするんです。

今はインターネットあって、一人一台スマホがあって、なんでも何でも情報を得れるわけじゃないですか。
そんな状況下で、「夢がない」とか「何にしたらいいかわかんない」とか言ってるやつとか、どっちみちなんかを与えたところで何も出来ないなって思うんですよ。「甘えるな!」って思います。

ファッション業界も若者を支援するプロジェクトみたいなモノがありますけど、僕自身はまったく興味が無くて、むしろ「そんなことするから育たないんじゃないか?」と思っています。
僕も含め、今一線で頑張っている人たちが審査員とかジャッジする側にまわると、僕ら以上にはならないわけじゃないですか。
でも世の中毎日変わっているし、その変化の中で上の人たちが想像も出来ないところから出てくるから新しいわけじゃないですか。僕らが審査してる時点でも全然新しくないと思うんですよ。
だから中途半端に助けて、その新しさを奪うよりは、助けない方が新しいものが生まれるんじゃないかなって思うんですよね。

そうやって世の中変わっていく。
審査員がいる時点でアウトだと思うんですよ!誰かがいるところからは新しいものは生まれないと思います。
全然違うそのやり方や売り方で、「えっ!そんなのあるの?」みたいな驚きが新しいというか、どの業界もそうですけど、今活躍してる人たちが評価してる時点で新しくないと思います。

だから助けない事が唯一新しいものが生み出せる方法なんじゃないかと思うんです。
勝手に自分たちの環境の中で、何が新しいかを考えて、売る事こそが新しいと思います。
その新しいものを生むためにはガムシャラに挑戦していくってことが大切で、上の人に助けを求めるのではなく、自分たちで考えて、今世の中にあるルールとか、そういったモノに縛られずに挑戦してほしいですよね!

――石川さんはこれからも世の中のルールに縛られずに、また新しいモノに挑戦していくんでしょうね!

そうですそうです!だから僕怒られてばかりなんです。
「あいつまた生意気な事言ってる」って(笑)

[STAFF]
Model : Ryo Ishikawa
Photography : Kyota Hashimoto
Movie Direction : Ryo Imai【kageiroha】

Creative direction & Text : Katsusuke Inomata【UMIDASU Co, Ltd.】

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